札幌大通地下ギャラリー 500m美術館

展覧会情報

Exhibition

500m美術館 Vol.6|第1回札幌500m美術館賞グランプリ展

New Cities

2013年2月2日(土)~4月19日(金)

2013年2月2日から、500m美術館で開催される第1回札幌500m美術館賞グランプリ展は、全長84mのガラスケースで展開される作品および企画プランを全国公募を行い、第1回グランプリ作品に選出された永岡大輔の映像作品「New Cities」を発表します。
それにあわせて第1回札幌500m美術館賞グランプリ受賞式と、美術評論家の松井みどりさんらをお招きし、シンポジウム「夕張からグローバリズムを照射する-ローカルポジションからの提言-」を開催します。エネルギー資源の推移による夕張の現状から見えてくるグローバリズムの押し寄せる波や介入芸術などを中心に、現代が抱える問題について現代アートの側面から考察を深めていきます。

500m美術館企画委員会


作家ステイトメント

地下道を行き交う人々は、どこから来てどこへ行くのだろうか。
どこで生まれ育ち、どのような時間を過ごし、この場所にたどり着いたのか。そして帰る家は?

札幌、大通りの往来に佇むなかでこの考えにとらわれざるを得ないのは、北海道内でも唯一人口が増加し続けるこの都市がカラフルで個性的な道内の街々と比べ、大都市特有の機能を持ち、その街並やそこに暮らす人々の生活によって形作られた現代的な表層にあるのでしょう。

私は、今年の8月に夕張市に約1ヶ月間、滞在しました。そこではじめに目にしたのは、お盆に仕事のために街を離れている家族を心待ちにする人たちの姿でした。炭坑が封鎖されて、大きな産業が消えたこの街で仕事を得るには、現在の状況は厳しく、人の多くはより良い生活、人生のために生まれ育った街を離れることを選択します。とは言え、今は失われた産業である炭坑を契機に産まれたその場所もまた、かつてより良い生活や人生を求めて移住して来た人たちで賑わったのです。その意味では、この街で家族を待つ人達も、かつて街を離れた人達であったのでしょう。

都市部、そして地方で生きる人々。或は、その人々の移動そのもの。
彼らの営みや、その中で揺れ動く感情、生成される記憶について。

都市の表皮の奥に存在するこれらは、街やその歴史について、或は地方と都市について考える際にも、現代社会が抱える諸問題と表裏一体となり現れます。つまり、夕張を見つめることは、今自分たちの住む世界がどうなっているのかを俯瞰するような高い視座と眼前にするような低い視座の両方で同時に思考することでもあるのです。

札幌の地下深くを通る1本の道で、私は、人の営みを通してこのような都市の深層に存在するもの達を描こうと思います。そして、札幌の人たちと一緒に、都市と地方について、或は都市と地方の関係性の中で生きる事について考えて行きたいと思います。

永岡大輔

開催概要

時間:
照明点灯時間 7:45~20:15(最終日は17時まで) ※この冬の節電対策として、照明点灯時間を短縮しております
会場:
札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住所:
札幌市中央区大通西1丁目〜東2丁目(札幌地下鉄大通駅~バスセンター前駅間 地下コンコース内)
主催:
札幌市

Event

関連イベント

第1回札幌500m美術館賞グランプリ受賞式&500m美術館賞シンポジウム

2013年2月2日から、500m美術館で開催される第1回札幌500m美術館賞グランプリ展は、全長84mのガラスケースで展開される作品および企画プランを全国公募を行い、第1回グランプリ作品に選出された永岡大輔の映像作品「New Cities」を発表します。
それにあわせて第1回札幌500m美術館賞グランプリ受賞式と、美術評論家の松井みどりさん、アーティストの藤木正則さんをお招きしシンポジウム「夕張からグローバリズムを照射する─ローカルポジションからの提言─」を開催します。エネルギー資源の推移による夕張の現状から見えてくるグローバリズムの押し寄せる波や、介入芸術などを中心に現代が抱える問題について、現代アートの側面から考察を深めていきます。

日時:2013年2月2日(土)
会場:札幌駅前通地下歩行空間/北3条交差点広場(西)
入場:無料
スピーカー:永岡大輔(アーティスト)/藤木正則(アーティスト)松井みどり(美術評論家)
モデレーター:柴田尚(NPO法人 S-AIR)

プログラム
14:00-14:20 第1回札幌500m美術館賞グランプリ受賞式
14:30-16:00 シンポジウム「夕張からグローバリズムを照射する ─ローカルポジションからの提言─」

主催:500m美術館企画委員会、札幌市
共催:札幌駅前通まちづくり株式会社