中橋修
Nakahashi Osamu
「内包」- 時と場と人の内に包まれて 今 ここにいる –
「内包」をテーマとして制作し始めてすでに10年近くになっている。最初の頃は自分自身を定義付けるものは何なのかを追い続けていた気がする。内面に潜む深層に目を向けているうちに自分の存在理由は外側にあるとの意識が強まり、個人としてというより人として動物として生き物としての共通項を探し求めるようになった。このテーマはライフワークにしていきたいと思っている。赤い作品は実像と虚像の関係を表現している。原寸大の自分とちょっと遠くにいる気恥ずかしくなりそうな自分を同時に確認できる。どっちも紛れもない自分。白と黒の凸型のものは誕生をイメージしている。それらの形は似ているが決して同じではない。凸面は次へ繋がるエネルギーの膨らみでもある。方形の連なる作品は絶えることのない時を意味している。波のようにいつまでも過去と未来を彷徨う。制作前に意図が明確にあるというよりは完成後に作品からその意味を知らされ教えられる場合が多い。今回の出品作もそうだった。
Profile
1948年浦河生まれ。美術作家。札幌在住。
絵画中心の制作が1996年辺りから立体に移行し始める。素材はベニアから木へ、そして現代的で無機質なアクリル板、塩ビ板へと変わってきた。アクリル板による制作の最初の数年間は乳白色の半透明を活かしていたが、塩ビ板も使うようになり白黒の世界に入る。そして近年赤も加わり有機的な要素が強くなってきた。「内包」というテーマは人としての普遍的な共通項を見い出したいという願望そのものである。
1948年 北海道浦河生まれ
1971年 北海道教育大学特設美術課程卒業
■主な個展
2012年 「内包」- 呼応する場 - TEMPORARY SPACE (札幌)
2011年 「中橋修の内包」 K - house (札幌)
「内包」- 時と場と人の内に包まれて - 紀伊國屋書店ギャラリー (札幌、'10 '09 '08 )
2007年 「内包」black & blue 法邑ギャラリー (札幌)
2006年 「内包」- 内にあるもの - 門馬ギャラリーANNEX (札幌、'05 '03 )
2004年 「内包」- 内にあるもの - STV北2条ビルエントランスアート (札幌)
■主なグループ展
2011年 ハルカヤマ芸術要塞 小樽
2009年 いす展 コンチネンタルギャラリー (札幌)
2008年 はしご展 北広島市芸術文化ホール (北広島)
2002年 「奏でる音と立体の響き」 芸術の森アートホールアリーナ (札幌)
2001年 三岸好太郎・三岸節子大賞展 三岸好太郎美術館 (札幌)