Hidemi Nishida


photo : Keizo Kioku
提供 : 創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会

Profile

1986年、小樽生まれ。ノルウェー ベルゲン在住

ノルウェーと日本を拠点に活動するエンヴァイロメンタル・アーティスト。既存の環境に対して、建築・造形的な要素や行為を使用することによって、日常からの小さな逸脱をポジティブに捉えた作品を制作している。近年はベルゲンやモスクワ、ロサンゼルスなど世界各地で作品を展開。最近の主な活動に「MEAGHEA SKKLL rKGM MAH TNCA」(Kunsthallen、ベルゲン、2014)、「Dismantlement and blue-sky daydreams」(GALLERI FISK、ベルゲン、2013)、「Destroying the zero presence」(Totaldobze、リガ、2013)、「Born of the Emptiness」(Tipographia、グラスノダール、2013)、「LEXUS HYBRID ART 2013」(MANAGA、モスクワ、2013)、「MIGRATION」(Bee-live、レッジョ・エミリア、2013)、「(Ⅱ)legalaesthetics」(Ptarmigan、タリン、2013)、FYF Fest(MACK SENNETT STUDIOS、ロサンゼルス、2013)、など。
 本作品は、我々が生活する都市と我々が畏怖する(あるいは淘汰しようとする)自然界とが交差する瞬間に何が起こっているのか?そのような「境界」の現場(地面)を発見し、そのディテール(細部)をまじまじと鑑賞する作品である。ある鑑賞者は明確な境界の痕跡を発見するであろう。またある鑑賞者は境界の消失を目の当たりにするかもしれない。全体として成立する文明と自然界のある部分のディテールを眺めることは、我々を取り巻く環境へのマイクロバイオロジー(細胞生物学、分子生物学、生理学、病理学、進化学、遺伝学等を含む微生物学の全てについての研究)と言えるであろう。今回、作家は北海道開拓の要であり、北海道で最初の鉄道となった旧手宮線の始発地点付近にフォーカスし、その歴史の集積の中に浮遊する境界の意味を見出そうとした。