神谷泰史
Taishi Kamiya

photo : Keizo Kioku
提供 : 創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会

Profile

1980年、札幌生まれ。東京在住

音という現象に着目し、意図せぬところに生まれる「気配」に耳を澄ませるような、繊細なインスタレーション(空間そのものを作品化すること)を発表している。北海道大学工学部卒業後、2004年にCAI現代芸術研究所アートスクール卒業、2006年に北海道大学大学院工学研究科を修了。近年の展覧会として、個展「関係性のモアレ」(waitingroom、2013)、個展「emergent vibration」(gift_lab、2011)がある。また、様々な音楽家とコラボレーションするライブシリーズ「open acoustics」や「福嚴寺Fes」の主催、ソプラノサックスと自作デバイスやラップトップを用いた演奏活動や、英HomeNormal等のレーベルから作品を発表するなど、音楽家としての活動も精力的に行う。今回は「動き」によって引き起こされる現象を通して、事物の過去、現在、未来の連続性を感じるさせる作品である。音楽を構成する「音」は、時間の経過が無いと成立し得ない現象であり、時間の経過の中で引き起こされる「動き」の結果として聴くことができる。本作品では、「時の座標軸」というテーマを受け、磁石と時計を使用した装置を用い、時間の経過の中で、作品表面に置かれたオブジェクトの確率的な振る舞いを表現している。この作品では、装置の動きの結果が、オブジェクトと作品面との間に起こる摩擦により、黒く軌跡を残す。時間が経つにつれオブジェクトは、それぞれの装置の動きによって変化し、痕跡を残し、ものによっては静止し固着する。その時々の「動き」とその結果できる痕跡が時間の連続性を意識させるのである。