宮永亮
Akira Miyanaga
photo : Keizo Kioku
提供 : 創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
Profile
1985年、北海道生まれ。京都在住 現代美術の領域で、ビデオ作品、ビデオ・インスタレーション(空間そのものを作品化すること)、スチル作品等の発表を行っている。作家自身が撮影・収集したビデオ素材を何重にも重ね、作品の中にそれぞれの素材に込められた「イメージ」と「時間」を積み上げてゆく。作家が「ある物語」を語るためではなく、見る人々がその重なりの中から、「それぞれの物語」をその中に見出す為の映像作品を展開。主な展覧会に「MOTアニュアル2014 フラグメント―未完のはじまり」(東京都現代美術館、2014)、「In the Still of the World」(児玉画廊、2014)、「なつやすみの美術館3「美術の時間」」(和歌山県立近代美術館、2013)、「第5回恵比寿映像祭 パブリック⇄ダイアリー」(東京都写真美術館、2013)、等。今回は日本語の「なみ」をテーマにし、東京都現代美術館で初展示を行なったシングルチャンネル映像作品《WAVY》を出品。WAVYという英語の題名に込められている意味は、実は非常に日本語的である。家並み、町並み、山並み・・・人波。「並」は「なみ」であり、「波」へ多義的に飛躍する。本作の映像素材は、宮永の故郷である北海道から、今在住している近畿までの間で撮影された。波の様に揺れる美瑛の菜の花畑や並ぶ畑の畝、青森恐山の宇曽利湖の波、新潟の連なる水田、東京の首都高からの街並み、名神高速の吊り橋の連続、滋賀の琵琶湖畔の風景、京阪を結ぶ諸高速道路のうねるイメージ、大阪中之島等のビル群のミニマルな要素の連続、等々。風景それぞれに、それぞれの「なみ」が、それぞれの意味、それぞれの深度で割り当てられている。それらの総体を、WAVYと呼ぶ。