武田浩志
Hiroshi Takeda
photo : Keizo Kioku
提供 : 創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
Profile
1978年生まれ 北海道札幌 武田はコンセプチュアル(概念的)というより表現系重視のアーティストである。十代後半から巧みな技量をもつ画家としてスタートしたが、社会の流行、潮流を先験的に読む能力が長けていたことから、潮流に合致した二次創作的なオブジェやアナログ機械むき出しのキネティック・アート(動く彫刻)を試みた時代もある。それらは平面作品同様に完成度の高いものであった。その意味で武田は、情報を敏感に感じ取りアウトプットできる都市型のアーティストなのかもしれない。 主な展覧会として「Utopia MoMo-Iro7」(salon cojica、札幌、2012)、「Utopia MoMo-Iro5」(MIKIKO SATO GALLERY、ハンブルク、ドイツ、2012)、「札幌美術展2012 パラレルワールド冒険譚」(札幌芸術の森美術館)、シェル美術賞展2011(代官山ヒルサイドフォーラム)、「M120 Moganshan re-used!」(莫干山路120号、上海、2010)、「雪国の華 −N40°以北の日本の作家達−」(Vanguard Gallery、上海、2009)、「FIX・MIX・MAX! 現代アートのフロントライン」(北海道立近代美術館、2006)などがある。今回の展示は、アトリエに眠っていた端材、大事に保管していた素材、または自作のドローイングや平面作品などを樹脂で固め板を作り、その板をさらに分解、再構築を経て作られている立体作品「神殿」シリーズと、形、色、技術、外的情報などを素材として扱い、幾層にも重ね複雑に絡み合わせ最終的に人の形「人型(ひとがた)」に構築する平面作品「portrait」シリーズを展開。今回は、この2つのシリーズを中心に構成され、作者の十数年にわたる創作の流れを物理的に再構築する場であり、さらにそれは複雑に絡み合う都市や人間社会の多様性を表している。