展覧会情報

500m美術館vol.34 楢原武正「大地開墾2021」

 

500m美術館が開設されて今年で10年。過去33回の企画展示を行っている中、北海道美術界を牽引してきたベテラン作家にフォーカスしたことはあまり多くはありません。開設10年を迎えた500m美術館では約半世紀以上もの間、北海道美術の屋台骨を作り、実力、話題性ともに牽引役となってきたベテラン作家の軌跡を個展形式で発表します。その第一弾として楢原武正「大地開墾2021」を開催します。

1942年十勝広尾町出身。楢原さんのインスタレーションはこの20年余り、つねに「大地開墾」というタイトルが付けられています。作品は鉄、トタン、空き缶、釘、車の部品、針金、工場廃棄物などの廃品を叩き、潰し、錆びさせ、変形させた後に全てを黒色に塗った塊をインスタレーションしています。

今年79歳になる楢原さんは、もともと十勝の開拓農家出身であり、彼にとっての黒はまさに北海道の黒土を表す「大地」であると共に開拓農家の原風景なのです。その意味では、いかにも道民らしい、北海道の歴史を踏まえた作品なのかもしれません。

ただし、使われる素材は自然物ではなく現代が生んだ人工の廃棄物によるものです。近代化における大量生産、大量消費がもたらした社会問題を背負いつつ、日々廃材を集め叩き、潰し、釘を打つ行為の積み重ねは、楢原さんにとって物質至上主義社会の終焉への願いと鎮魂、さらに希望する新たな世界という大地開墾への祈りとも言えます。厳しい自然環境での開墾を幼い時期に経験し、現在は札幌の都市部に生活する楢原さんが持つ人生観によって「大地開墾」という空間を創造させているのでしょう。

 

 

 

会  期| 2021年7月26日(月)〜9月3日(水) 7:30〜22:00

会  場| 札幌大通地下ギャラリー500m美術館

住  所| 札幌市中央区大通⻄1丁目〜大通東2丁目

(地下鉄大通駅と地下鉄東⻄線バスセンター前駅間の地下コンコース内)

展示作家| 楢原武正

主  催| 札幌市

企  画| CAI現代芸術研究所/CAI03、一般社団法人PROJECTA

 

 

※本展はガラスケース8基での開催となります。

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